トレンドの見分け方|高値と安値の位置だけで相場の向きは決まる
チャートを開いて最初にやることは、今どちらに向かっているかの判定です。高値と安値という2種類の点だけを追えば、相場は上昇・下降・レンジの3つに分かれます。100年使われてきた定義を、図で最短に。
チャートを開いて最初にやるべきことは、手法を探すことでも指標を足すことでもありません。今この相場がどちらに向かっているのかを決めることです。
ここを飛ばすと、どんな手法も機能しません。上昇している相場に売りで入れば、正しい損切りも正しいロットも、負けを丁寧に積み上げる作業になります。
追うのは2種類の点だけ
チャートはギザギザしていて、そのままでは向きがわかりません。そこで見る点を2つに絞ります。
高値は両隣より高く飛び出した点、安値は両隣より低くへこんだ点です。折り返した山のてっぺんが高値、跳ね返った谷底が安値、と考えても同じです。迷ったら左右を見比べるだけで決まります。
相場は3つの状態しかない
この2種類の点がどう並んでいるかで、相場は3つに分かれます。
| 状態 | 条件 |
|---|---|
| 上昇トレンド | 高値を更新し、かつ安値も切り上がっている |
| 下降トレンド | 安値を更新し、かつ高値も切り下がっている |
| レンジ | 高値も安値も更新しない |
大事なのは**「かつ」**です。高値を更新していても安値が切り下がっていれば、上昇トレンドではありません。片方だけでは判定になりません。
この分類の元は、ウォール・ストリート・ジャーナルを創刊したチャールズ・ダウが1900年前後の社説に書いた相場観です。本人は理論化しておらず、死後にS・A・ネルソンが「ダウ理論」と名付け、ロバート・レアが『The Dow Theory』(1932年)で体系化しました。定義は以後ほぼ変わっていません。
トレンドは、簡単には終わらない
初心者がいちばん損をするのは「もう十分上がったから、そろそろ下がるだろう」という値ごろ感です。根拠は自分の感覚しかありません。この定義は、そこに機械的な線を引きます。
上昇トレンドが終わるのは、価格が直近の安値を下回ったときです。安値の切り上げという条件が崩れたからです。下降トレンドなら、直近の高値を上回ったときに終わります。
それまでは、どれだけ長く上がっていても上昇トレンドのままです。「そろそろ」は判断材料になりません。
時間軸が違えば、答えも違う
同じ通貨ペアでも、日足では上昇トレンド、4時間足では下降トレンド、ということは普通に起こります。**どちらかが間違っているのではありません。**見る範囲が変われば、高値と安値の位置も変わるからです。
問題は、判定した時間軸とエントリーする時間軸がずれたときに起きます。日足で上昇と判断したのに、5分足の下げに反応して売る。判定に使う時間軸を先に決めて、動かさないこと。
「まだわからない」で終えていい
レンジは、トレンドがまだ決まっていない状態です。上昇でも下降でもないという判定結果であって、判断の失敗ではありません。
転換の確認は必ず遅れます。安値を割ったとわかる頃には、価格はすでに下げています。早く知ろうとするほど判定は主観に戻るので、これは欠陥ではなく仕様です。一時的に更新してすぐ戻る「ダマシ」もあります。
学び始めると、開いたチャートすべてに答えを出そうとしがちです。しかし相場の多くの時間はレンジであり、そこで無理に方向を決めることが根拠のないエントリーの入口になります。
「わからない」で終わる日は、何もしない日です。それを結論として扱えるようになると、この定義は道具になります。
判定をもう一段速くしたい場合は、移動平均線と200MAへ。